私が一人になってしまって車で生活していた24歳秋のころ。
一生かけて二人で借金を返していけたらいいと思っていた。
自分の借金を共に返していこうという私の事を切り捨てるはずがないと思っていた。
結婚しようと誓い合ったのに借金を背負わされて捨てられるとは思わなかった。
親になんか言えない。婚約破棄になりましたなんて。交際2年で400万円の借金を肩代わりし、音信不通になり自分で返していくことになったなんて。
恥ずかしくて、でも稼がなくてはいけなくて。
車で生活してるなんて誰にも知られたくなくて。
昼の仕事、夜のアルバイトを休みなく働いてひとりになる時間を作らないようにしていました。
そんな時期、一人になる深夜の車の中。毎日聞いていた音楽があります。
Mr.childrenの【ALIVE】です。
↓誰もが知ってる曲が入ったベストの中の異色な1曲。
毎日聞いていました。
自分の事を見守ってくれているような。
一緒に苦しんでくれているような感覚でした。
この感情は何だろう 無性に腹が立つんだよ
自分を押し殺したはずなのに
馬鹿げた仕事を終え 環状線で家路をたどる車の中で
全部おりたい 寝転んでいたい
そうぼやきながら 今日が行き過ぎる
私は無性に腹が立つ毎日を過ごしていました。
もちろん借金を背負わせられた相手にも、気づかなかった自分も、
死んだ母を苦しめて好きな事ばかりして楽しそうな父も。
馬鹿げた仕事だと思いながらも自分を押し殺して返済の為に毎日夜のアルバイトをしていました。
手を汚さず奪うんだよ 傷つけずに殴んだよ
それがうまく生きる秘訣で
人類は醜くても 人生は儚くても
愛し合える時を待つのかい
無駄なんじゃない 大人げない
知っちゃいながら さあ 行こう
夢はなくとも 希望はなくとも
目の前の遥かな道を
やがて何処かで 光は射すだろう
その日まで魂は燃え
手を汚さず奪うんだよ 傷つけず殴んだよ それがうまく生きる秘訣で
この歌詞のとおりの人ってやっぱりいるんだ。って勉強になりましたね。
人類は醜くても人生は儚くても愛し合える時を待つのかい
こんな風に考えることが出来たら楽だな。愛し合うなんて無駄な夢なんだな。と思いました。
誓いは破るもの 法とは犯すもの
それすらひとつの真実で
迷いや悩みなど 一生消えぬものと思えたなら
ぼくらはスーパーマン
怖いものなんてない 胸を張っていたい
そして君と さあ 行こう
誓いは破るもの 法とは犯すもの それすら一つの真実で
これだけストレートにグレーな部分を歌詞にしてくれて。真実だと断言されて目が覚めました。
怖いものなんてない胸を張っていたい
奪ったり殴ったり破ったり犯したり出来ない自分の事を胸を張っていいのかな。と思えました。
意味はなくとも 歩は遅くとも
残されたわずかな時を
やがて荒野に花は咲くだろう
あらゆる国境線を越えて
さあ 行こう
報いはなくとも 救いはなくとも
荒れ果てた険しい道を
いつかぽっかり 答えがでるかも
その日まで魂は燃え
夢はなくとも 希望はなくとも
目の前の遥かな道を
やがて荒野に花は咲くだろう
あらゆる国境線を越え
意味はなくとも 歩は遅くとも 報いはなくとも 救いはなくとも
絶望という状況をここまでクリーンに言葉にしてくれてうれしかった。
私だけじゃないんだな。と考える事が出来ました。孤独感から救ってくれました。
いつかぽっかり 答えが出るかも
この歌の中で数少ない前向きな言葉だけど虚無状態で日々過ごしている自分にはこのぐらいのちっちゃな希望だけで生きる理由になったりしました。
歩いても歩いても明るい場所が遠く、足元は真っ暗で進んでいるかどうかも分からない。
暗闇も慣れたら見えてくる。どんな場所にいるか分かって、昨日よりも進んでいればいつかどこかに近づいていける。目を閉じると小さな光が見えてくる。見えていればいい。目標があるだけでいい。胸を張って生きよう。
毎日聞きながらイメージしながら寝てました。
何百回聞いたか分からない。
というかこの曲しか聞けなかった。
そしてなんといってもサウンドです。
あまり詳しくないのですがボレロっぽい感じ。
音がどんどん重なっていって転調していくところ。
荒れ果てた険しい道をや目の前の遥かな道を
を歩いている情景をイメージしやすいドラムの音。
やがて何処かで光は射すだろう
の光を感じるギターの高音。
↓これは本物のボレロ様
ボレロって演奏している表情を見ながら聞くのが好きです。
演奏者自身も高揚していく様が見えて楽しそうで。
相手と父を殺したかった。
罰を受けることが全く苦に思えなくて。
きっとその方が周りの人が楽になるのではないか。と思っていました。
そのぐらいの危険な思想を持っていました。
でも自分の境地を鮮明に言葉にしてくれたこの曲と一緒に苦しみ、悩み抜いているうちに状況に慣れていきました。すべて自分の責任だと思えるようになり、必要な試練なんだと思えたし、自虐伝としてネタにすることも出来ました。
おかげで誰かを物理的に傷つけずに済みました。
心の中では何度も傷つけましたけど。
恐怖におびえる顔もイメージ出来ました。
自分の中にいるサイコパスな部分を認識して自分が怖くなるほど。
あとは自分の笑顔の為に生きるだけ。
しっかり金を稼いで着実に返済していこう。
この借金は私のもの。
生きる理由は借金返済。
こう思えた私は強い。24歳の自分を褒めてあげたい。
私を支えてくれたMr.children【ALIVE】に感謝しています。