非HSP親との違和感と疎遠:深い溝と心の距離
HSP(Highly Sensitive Person)であるあなたと、非HSPの親との間で感じる違和感や疎遠感は、決してあなただけの悩みではありません。生まれ持った繊細な気質を持つHSPは、周囲の人々、特に親との関係において、深い共感を得られないという経験をすることがあります。
なぜ違和感を感じるのか?
- 感覚の鋭敏さの違い: HSPは五感や感情が鋭敏で、些細な出来事にも深く心を揺さぶられます。一方、非HSPは、物事を比較的客観的に捉え、感情的な反応が少ない傾向があります。この感覚の鋭敏さの差は、互いの行動や言葉の解釈の違いを生み、コミュニケーションの壁となることがあります。
例:非HSP親はスポーツ観戦で大盛り上がり。でもHSP子はスポーツ観戦自体あまり好きではない。理由は平等ではないと感じるから。スポーツとはいえ戦い、争いと同等に感じる。 - 価値観の違い: HSPは人間関係を重視し、共感や思いやりを大切にする傾向があります。非HSPは、結果や効率を重視し、感情よりも論理を優先する傾向があります。これらの価値観の違いは、人生観や生き方に対する考え方にも影響し、お互いを理解しあうことを難しくします。
例:HSP子が些細な事で涙していると非HSP親は「そんなことで泣かないの。」と良かれと思って励ますが、HSP子が泣くときは誰かを慮っていることが多く、全然些細ではない。 - ストレスへの反応の違い: HSPは、周囲の環境や人間関係の変化に敏感で、ストレスを感じやすい傾向があります。一方、非HSPは、ストレスに比較的強く、冷静に対処できることが多いです。このストレスへの反応の違いは、お互いの行動や言葉に対する解釈の違いを生み、誤解を招くことがあります。
例:非HSP親が担任の先生へ言付けを頼んでも、HSP子は先生に声を掛けに行くことが出来ない。理由はだいたい「先生は忙しそうだから悪いと思って」非HSP親に「気にしすぎ」と言われストレスになる。
疎遠感の原因
- 理解されない孤独感: HSPは、自分の繊細な気持ちを理解してもらえず、孤独感を抱きがちです。特に、親という最も身近な存在に理解されないことは、大きな心の傷となります。
例:HSP子は親に甘える事が苦手。理由は「どうせ分からないだろう」と常に思っているから。 - コミュニケーションの困難さ: 感覚や価値観、ストレスへの反応の違いから、お互いを理解し合うための効果的なコミュニケーションが難しくなります。
例:非HSP親の「これでいいんじゃない?」に対して反論が思いつかず、でも何か納得できない思いを抱えてしまう。言葉を発しなくなる。 - 期待と現実のギャップ: HSPは、親との間に深い絆を築きたいと願う一方で、現実にはその期待に応えられないことが多いと感じます。この期待と現実のギャップが、心の距離を生み出す原因となります。
例:HSP子が夢中になっている物を非HSPは簡単に「そっちよりこっちがいいんじゃない?」と否定する。それに対し意見も出来なくて言葉を発するのも嫌になる。
非HSP親とどのように向き合っていくか?
- 自己理解を深める: HSPの気質について学び、自分の特性を理解することで、自己肯定感を高め、周囲との関係性を改善することができます。
- コミュニケーション方法を見つける: 非HSPの親とのコミュニケーションでは、具体的な言葉で自分の気持ちを伝えたり、相手の立場を理解しようと努めたりすることが大切です。
- 境界線を設ける: すべての期待に応えようとするのではなく、自分の心に負担をかけない範囲で、親との関係性を築くことが重要です。
- 信頼できる人に相談する: 友人、パートナー、カウンセラーなど、信頼できる人に相談することで、心の負担を軽減し、新たな視点を得ることができます。
- 自分らしく生きる: HSPであることを受け入れ、自分のペースで生きていくことが大切です。
注:子供のうちは自分でHSPとはなかなか気づけないもの。友達関係や親子関係に違和感を感じながら過ごす事になります。気づくきっかけは大人になってから「自分は精神的な病気なのでは?」と感じ、調べてはじめて分かる事が多いと思います。やはり、親が子供をしっかり観察し、HSPと把握し、対応の仕方に努力し、生きづらさを感じている子供を導く必要があります。
非HSP親がHSP子供に対してしてはいけない事
HSP(Highly Sensitive Person)は、五感や感情が鋭敏で、周囲の環境や人間関係に敏感な人が多いです。そのため、非HSP(非高度敏感性)の親にとっては、HSPの子供を理解し、適切な対応をすることが難しい場合があります。
まずは自分の子供がHSPだと気づけたパパ、ママは褒められるべきです。子供をしっかりと観察し、悩み、調べる日々があった事でしょう。先生や祖母などからは育てやすい従順な子供として見える子供の心をしっかりとくみ取り生きづらさを抱えている事に気付けることが出来た。ということは称賛されるべきです。その上で家庭の中ではストレスを感じない環境にしてあげてください。そうすれば子供はのびのびと生きていくことが出来るでしょう。
1. 感情を否定しない
HSPの子供は、些細な出来事でも深く感情を揺さぶられます。そのため、非HSPの親は、子供の感情を否定したり、軽視したりしないことが大切です。そしてその感情を言葉にして吐き出させるように導く事が必要です。吐き出す場所が親にあればHSPであっても生きづらさを軽減することが出来ます。
2. 過剰な刺激を与えない
HSPの子供は、過剰な刺激に敏感で、ストレスを感じやすいです。そのため、非HSPの親は、子供に過剰な刺激を与えないように注意が必要です。花火やお祭りに無理に連れ出さない。運動会の競技などで「頑張れ。」というプレッシャーを与えないようにする。
3. 理解しようと努める
HSPの子供は、非HSPの親には理解されにくいと感じることがあります。そのため、非HSPの親は、子供の気持ちを理解しようと努めることが大切です。感情を言葉に出来たら「そうなんだ~」「へ~」と肯定する言葉を掛け、受けとめられている。と思えるような接し方を心掛ける。
4. 責めない
HSPの子供は、失敗やミスを責められると、強い罪悪感を感じてしまいます。そのため、非HSPの親は、子供を責めたり、怒鳴ったりしないことが大切です。HSPの子供は慎重で悪い事は基本的には正義感に反するのでしません。ミスや失敗は自分で自分をすでに責めています。なので「今度はどうすればいいかな?」と一緒に悩んであげるようにしてみてください。
5. 比較しない
HSPの子供は、他の子供と比較されることを嫌います。そのため、非HSPの親は、子供を他の子供と比較しないことが大切です。HSPは非HSPから見ると”のろま”と感じる事が多く、「周りの子みたいに急いで」と言いたくなりますが、HSPの子供は一つ一つ完璧に進めたいので比べても無駄だと諦めて子供の価値観を認めてあげましょう。
6. 一人でいることが苦ではない事を理解する
HSPの子供は、人付き合いが苦手で、孤立しているように見えます。そのため、非HSPの親は、子供に友達を作る機会を与えたり、積極的にコミュニケーションを取ろうとすることがあります。しかし無理に騒がしい元気な団体に放り込んでも本人はツライだけです。家族さえしっかり子供を理解していれば子供が孤独感を感じる事はないでしょう。
7. 子供のSOSに気づく努力をする
HSPの子供は、非HSPの親に助けを求めることが難しい場合があります。そのため、非HSPの親は、子供をしっかり観察することが大切です。HSPの子供に一人一人さまざまなトリガーを持っています。そのパターンを見極めると子供の事がもっと理解できます。
8. 諦めない
HSPの子供は、一見すると繊細で弱々しく見えますが、実は芯が強く、成長の可能性を秘めています。そのため、非HSPの親は、子供を諦めずに、根気強くサポートすることが大切です。
子供が一生懸命になっていることに手出ししない。集中しているなら声掛けもしない。HSPの子供はおとなしいけど頭の中はいろんな事を考えているので親は見守る事が大事です。
まとめ
非HSPの親との関係は、決して簡単なものではありません。しかし、自己理解を深め、コミュニケーション方法を見つけることで、少しずつ関係性を改善していくことができます。
NEXT→うちの子供はHSP?と感じたらどんなことを観察してみるといいか、考えてみます。