HSPさんはDV被害に注意すべき

自分史

借金生活→DV被害

HSPさん(ハイリーセンシティブパーソン)は無意識に相手の希望通りに演じてしまうという特徴があり、知らず知らず優しさを搾取されてしまう事があります。
この記事を作った時は自分はHSPだと知らず、400万の借金を抱えてしまった私が不倫に陥り、相手からDV被害を受ける何とも残念な恋愛を振り返るブログでした。
HSPと判明し自分の書いた記事を読みながらHSPは相手に圧倒されやすく、相手にとって都合よく扱える対象になりがちなのでは?と思い、HSP目線で文章を書きなおしました。

最低な出会い

当時24歳。結婚を約束した相手から400万円の消費者金融の借金を背負わされて婚約破棄。誰が見ても人生のどん底でした。

今度は幸せになれるかも? 

アルバイト先で知り合ったYはお酒が弱く同僚に付き合わされて飲み会に来ているようでした。でもイヤな顔はせず、その場を和やかにしてくれる人でした。
とても優しくて、紳士なYがお店に来てくれるのが楽しみで励みになりました。
程なくお付き合いすることになったのですが丸首のインナーシャツの襟がいつもパリッとしていてよれてないのをみて誰かと住んでいるんだな。と気づいてしまいました。(HSPの能力かも?)

しばらくは気づかないふりをしていましたがやはり間違いないと確信。問い詰めるとやはり既婚者。
子供に恵まれず、相手との関係は破綻していて離婚の話をしている。だからちょっと待ってて。
と言われ、奥さんよりも自分を大事に思ってくれていることに優越感がありました。

会うたびに結婚しようと語り合い、お互いに依存しあっていました。
この関係は正義だ。と思っていました。
私もYも自由になれないかわいそうな籠の鳥。とか思ってたのかもしれません。恥ずかしい話です…

本当の自分は冷酷?

そのまま1年過ぎ、何も進展がありませんでした。
しかも私が借金返済のためにアルバイトをしていることにヤキモチをやき、束縛するようになっていきました。

相手

昔の男のための借金を返すのは未練があるみたい。
俺のために時間を作って欲しい。

と言い出しました。
自分が離婚すると言いながら進展出来ないくせに、そんなこと言われなきゃいけないのか。
とだんだん自分を取り戻し、気持ちが冷めていきました。私の気持ちに気づいたYは車で待ち伏せして”同伴出勤”や”アフター”が出来なくなったりと仕事の邪魔をするようになって来ました。理由は「俺との時間を大事にしてくれ」というもの。

HSPは束縛は性別問わず好きではありません。
私は相手を支え、頼られることに幸せを感じます。自分の存在価値は縁の下にあると思っています。

HSPのリセット症候群

HSPさんは相手にとって時に冷酷に映ることがあります。
”リセット症候群”です。すべての関係をバッサリ断ち切りたい。と思う事があります。
そうなってしまうともう自分でも分からないぐらい一方的に関係を断ちます。
普段優しい印象でも急に連絡が取れなくなる。相手にしたら衝撃的な事でしょうね。
これは男女だからでもなく随分な大人になってもあります。しかも理由は伝えません。
自分が病気になったとでも嘘をついてでも相手の前から消えます。

このときは束縛が怖く感じて離れたいと思いました。でも借金返済のためには夜のアルバイトは辞められないので関係を断つことが物理的に難しかったし、ハッキリ言えなかったからなのか、勇気を持って何となく関係を終わらせようと別れ話をすると相手は激高。束縛は強まり、暴力を振るうようになりました。
その後も納得する気配はなく、毎日夜中にアパートに来るようになりました。Yもわざと疲れ切って眠いところに訪れるようになり、寝たふりをしていても性行為をしてきてました。大声をあげたりしてはアパートの迷惑になりますから受け入れるしかなく、気持ちの悪い日々を過ごしました。

アパートを夜逃げのように引き払い、友達の家でかくまってもらいました。でも借金返済のために仕事を辞める事は出来ません。すると今度は仕事中にメールしてきて返信しないと友達の暴力団連れて店に乗り込むぞ。という長文を送ってきたり、お店の電話をしてきて切らせず接客が出来ないようにしたり。迷惑をかけるのでアルバイトを辞めざるを得なくなりました。

本業通勤時の事、車ですれ違うとUターンして追いかけてきて、対向車がいても平気で追い越しして車線をふさぎ、会社に休むと電話を掛けさせられ、相手の車に乗せられて山の中へ連れて行かれてまた性行為。借金が無ければ仕事も辞めてすべてリセットできるのに出来ない苦しい思いをしました。
その後、会社の近くにある実家に帰り、家から出ずに籠るようになりました。

すると今度は昼の仕事の方に電話を掛けてくるようになりました。ある日、社長を出せ。と言い、私の事をだらだらと話したそうです。
とうとう社長に「なんだこいつは。狂ってるぞ。警察に行ってこい。」と言われ、警察に駆け込みました。

ストーカー防止条例

警察官

なんでも相談して。あなたを守ります。

私は泣きながら恐ろしい内容の長文のメールを見せていきさつを話しました。

警察官

ストーカーになる人に既婚者が多いんです。
なんででしょうね?私達にもよくわからないですよ。

と笑顔で和ませてくれて落ち着いてきました。

この頃、世間では警察に相談したにも関わらず、ストーカーされた挙句殺されてしまう事件があり、ストーカー防止条約が出来たころでした。とてもしっかり話を聞いてくれました。不倫関係ですから相談するのも恥ずかしい事だったのですが、警察の方曰く、既婚者男性が独身女性にストーカーすることが多い。とのことでした。ワケわかりませんね。
接近禁止令を出すにしても相手にも話を聞くとの事。
出頭命令に従うのか疑問でしたがすんなり警察署に来たようでした。

ストーカーとの話し合い

Yが警察へ出頭してきたのは1時間後。

私に向かって暴力的な言葉で威圧する相手。
二度と顔を合わせたくないと思って突き出した相手。
同じ敷地にいるという事さえ恐ろしい状況で早く帰りたかった。

ところがですよ!!

警察官

お相手さんが5分だけあなたと二人きりにしてくれ。
と言って帰ってくれない。
自分たちがドアの外にいるから会ってくれないか。


納得したいから話がしたい。と言っている。自分たちも困っている。
と警察の方にも説得されハッキリと言えない私は了承してしまいました。

広い会議室を用意してもらい、ドアの向こうに警察官が配備されました。

大ごとになったなあ。絶対暴れる。
でも暴れてくれて逮捕してくれたら一石二鳥だな。
 

なんて思っていました。
でも怖かった。
そして数メートル離れた対面に座ったとたん、相手はなぜか号泣していました。

怖すぎる

私は想像もしなかった号泣する相手に恐怖で固まり、何も言えなくなってしまいました。

相手

怖い思いをさせて申し訳なかった。
お前の事が好きだった。

暴れるどころか泣き出して謝る始末。
私は斜め上の反応が怖すぎて顔も見れませんでした。そして

相手

最後に一緒に旅行をしてくれないか。
それでもう終わりにする。
俺を納得させてくれ。

と言われ、私は恐怖で「はい。」と返事をしてしまいました。

HSPって押しに弱すぎる

警察にいるんだから断ればいいじゃん!と思うかもしれませんが、
断ったら本当に実家にでも刃物を持って現れるかもしれない。と思ったのです。
ストーカーを受けると思考回路がすべてが恐怖になってしまうんです。
優しくされても謝られてもその言葉の裏を感じ取り凄まじい恐怖に感じるのです。
もともとHSPは子供に対する行き過ぎな親の言動などを街で見かけただけでドキドキしてくる。と言われています。
テレビの中の警察24時的なものやドッキリなどで人が泣く場面なんかも苦手な私にとって自分に向けられた嫌悪の空気は耐えられるものではありません。早くこの場から去りたい。でも警察に食い下がることが出来てしまうYに「NO!」を言ったらどんな事をされるか、と考えただけでもう「はい。」と言う選択しかなかったのです。

5分経ち、警察官が入ってきてくれました。
本当は接近禁止令を出してもらって、二度と顔を合わせたくなかったのに旅行する約束をさせられてしまった。やはり警察はあてにならないものなんだな。と思いました。
そして自分が旅行に行くことを了承した。と言った事は警察には言えませんでした。
周りの誰にも言えなかった。Yの言葉を受け入れてしまった自分の責任だ。と持ち前の責任感が発動。

後日旅行に行きましたがずっと怖くて気持ち悪かったです。
写真を撮りまくり、「笑って。思い出にするから」と感傷に浸ってみたり、明らかにひきつった顔の私をうるうるした目で見る。寝たふりすると顔を指でなぞる。すべてが恐ろしかった。
急に首を絞めてくるんじゃないか?とかやっぱりこれからも会ってくれ!と言われたら…。
と考えてしまうんです。とにかく早く時間が過ぎるのを祈っていました。

警察に訴えた。という行動は相手の心の火に油を注ぐものか、鎮火するものか、やってみなければ分かりません。正解は相手次第です。
結果論ですが
私は拒絶をしなかった。(警察に泣きつかれたから)
→相手が訴えたいことを言えた。
→相手がこれで終わりにすると宣言した。
→私が相手の要求を叶えた。(断ることが怖かった)
→相手は本当に終わりにした。
世に出る事件となるか否かはやはり当事者同士の匙加減なのかもしれません。
この件は私にとってHSP度を高めた出来事だと思っています。

まとめ

きっと彼は本当に好きだったんでしょう。
気持ちの表現の仕方が下手で、自分の家族とのケジメを付けられない気持ちの弱さを持った上に、借金と言う負を抱えたなんでも言う事を聞いてくれる私に強烈に依存してしまい、コントロールしていたつもりが、私の態度が変わっていろんな要素がうまくいかなくて暴力に走ってしまい、警察に通報されてしまった。最後は狂ってしまった。可哀想な人でした。
私はこれを機に電話番号を変え、実家にひっそり肩身の狭い思いをして生活していました。

親との不仲は相変わらずで借金返済も回せなくなってきてやはりアルバイトはしなくてはいけない状況になっていました。
あっという間に家を出てお世話になった方々を頼り、夜の世界に復帰。
借金がまた400万円に戻ってしまった状態で再スタートを切りました。

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